障がい者雇用で働きたいけど、手帳が必要なのか分からない。
ハローワークで障がい者雇用案件をみるけど…。
障がい者雇用って悪いイメージしかないや。
こんな悩みを解決していきます。
この記事を読まれる方は、
など疑問を抱えていると思います。
また、手帳が無くても応募をしてみたいというお気持ちも少なからずあると思いますので、制度の観点から解説をしていきます。
障がい者雇用についてメリット・デメリットを含めて広義的に解説をしてみましたので、知らない知識があれば学ぶことができ、次の行動に繋がるきっかけとなりますので最後までお読み下さい。
この記事の信頼性については運営者プロフィールをどうぞ。
私は現在進行形で就労支援に関わっている職員です。
こんな悩みをもった利用者様の支援を行っています。
実際の勤務経験についてもとづいた知見で解説をしていきますので、疑問点を解消していただければ幸いです。
それでは、いきましょう。
障がい者雇用は手帳なしでも可能なのか
結論:手帳がなければ不可能
理由と手立てについて解説をしていきます。
障がい者雇用とは
障がいがある方に合理的配慮を必須とした雇用形態
障がい者雇用率制度で定められたもの
「障がい者雇用率制度(以下:法定雇用率)」は次の通りです。
〇雇用・就業は、障害者の自立・社会参加のための重要な柱。
引用:厚生労働省_障害者雇用率制度の概要
〇障害者が能力を最大限発揮し、適性に応じて働くことができる社会を目指す。
自立・社会参加にむけての施策で「障がいがあるからできない」という理由を合理的に無くす内容となっています。
障がい者雇用の等級条件
こちらの表が参考になります
法定雇用率を満たさなければならない基準となっています。
障がい者雇用は義務なのか?
企業の従業員数に応じて義務となっている
障害者雇用促進法で定められている
障害雇用促進法:
目的(障害者の職業生活において自立することを促進するための措置を総合的に講じ、もつて障害者の職業の安定を図ること)、基本的理念、事業主の責務、国及び地方公共団体の責務、厚生労働大臣による障害者雇用対策基本方針・障害者活躍推進計画作成指針、国及び地方公共団体における障害者活躍推進計画の作成義務等
対象障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進等
対象障害者の雇用義務等:
国及び地方公共団体における、法定雇用率が未達成の場合の採用計画の作成義務、民間事業主における、法定雇用率の達成義務等
引用:障害者雇用促進法(平成20年改正)について
法定雇用率が未達成の場合は、達成するように明記されています。
ですので、未達成であることは良くないことです。
障害者雇用調整金の支給等及び障害者雇用納付金の徴収
法定雇用率を上回った場合の障害者雇用調整金、週20時間未満の障害者を雇用した場合の特例給付金、施設・設備等の助成金の支給、法定雇用率が未達成の場合の障害者雇用納付金の徴収等
引用:障害者雇用促進法(平成20年改正)について
法定雇用率を満たして正当に運営できている企業には特例納付金が支払われ、未達成企業は雇用納付金(いわゆる罰金)の支払いというルールになっています。
障がい者雇用、一般雇用の違いとは?
障がい者雇用促進法に準じた対応かどうか。
障がい者雇用
障がい者雇用促進法にしたがって
採用面接の段階から当事者に配慮のことを伝えていきます。
また、当事者もどこまで配慮が必要なのかを明確にしなければなりません。
一般雇用
一般的な労働基準法に従いますが、次の場合で捉え方が変わります。
入社前
オープン就労による合理的配慮義務は無い
労働者は職場が求める人物像に近づけるよう努力しなければならない
病気をオープンにして一般雇用で応募することも可能ですが、一般就労の場合はそもそも配慮義務がありませんので断られることも普通です。
入社後
就業中もしくは在籍中に障害を負ってしまった場合
労働安全衛生にもとづいて、業務中における事故や怪我は本来あってはならないことですが、本人が職場での労働を望む限り、最大限に配慮して不当な対応はしてはならないのが通常の対応です。
参考文献:厚生労働省
障害者雇用で働く条件とは?
障がい者雇用で働くためにはクリアしなければならない条件が2つあります。
条件①:障がい者手帳がある
障がい者雇用率制度で「障がい手帳」保持者としています。
ご病気があっても、手帳を持たない方は障がい者雇用には当てはまりません。
条件②:障がい者雇用を希望する職場に応募する
障がい者雇用〈案件〉でないと叶いません。
お住まいによって地域差はありますが、ハローワークで求人検索をすると障がい者雇用の案件がヒットします。(インターネットサービスでも閲覧可能)
障がい者手帳を持たない障がい者も現実にいる
診断名があっても、手帳を取得されていない方は沢山います。
多いのは精神障がい、発達障がいで手帳なしの事例
等で、手帳を持たない方は非常に多くいます。
など、最終的に本人の意思決定となるため強制的に取得するものではありません。
メリット、デメリットもありますので事項で解説します。
障がい手帳なしのメリット・デメリット
以下にまとめてみました。
メリット
など
暮らしていくために優遇されることが多くあります。
デメリット
など
手帳なしの場合は、メリットで記載したような基本的な優遇が受けられません。
自己解決をしていかなければなりませんので手間がかかります。
雇用も不安定になりやすいですから、金銭面の不安は拭えません。
障がい手帳は生活(暮らし)に直結してきます。お金の問題は「暮らし」がある以上、つきまといますので、負担が軽い方がメンタルも安定します。
障がい者手帳なしで就職する方法は②つのみ
うつ病、ASD、ADHDなどの診断名があり、手帳がない場合の就職方法です。
オープン就労で一般就職
一般雇用案件で応募し、採用面接で病気や診断名等を口頭で開示する方法です。
相手の反応は分かりませんが、一定の理解を示してくれる場合があります。
しかし、採用側は勤務を通して不調になった場合「労災」に発展してしまわないか懸念されます。
本人がどんなに良くても、雇用トラブルを防止する観点から不採用とする職場がほとんどです。
労災トラブルが採用後につきまといます。一般雇用で病気や障がいをオープンにしてしまうことで不採用になるのはこのためです。
クローズ就労で一般就職
病気、診断名、内服薬などを全てクローズ(伝えないで)して就職する方法です。
一般的な就職方法と変わりありません。
ただし、採用後にクローズした内容を職場に悟られないようにする必要があります。
不調が続いて急な欠勤が続くと職場から心配されますし、仕事がまわらなくなったりすることもあります。
職場で相談ができませんので、ストレスを抱え込むことになります。
就職に困ったら、手帳なしでも使える福祉支援
診断名があったり、長期にわたって不調を抱えているようであれば、手帳なしで使える福祉サービスがおすすめです。
障がい者就業・生活支援センター
お住まいの圏域ごとに設置されていますので「地域名+就業・生活支援センター」で検索をかけるとみつかります。
役割は以下の通りです
障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う
引用:厚生労働省
就労と生活面から相談支援が得られる機関になっています。
主に資源と繋ぐことを行います。
就労移行支援事業所
福祉の就労系サービスで就職支援を専門的に行う機関です。
など就職の悩みはこちらの機関で解決ができます。
頼る先がない方は、まず就労移行支援事業所に相談をおすすめします。
私も関わっていますが、問い合わせのハードルは低めです。必要性の判断は話を聞いてからでもできます。
福祉サービスの概要も併せてまとめましたので、下記の記事も一読をお願い致します。
➤ 【必ず働けます】障害福祉のサービスで悩むあなたを完全サポート【安心】
就労定着支援事業
職場に定着するための支援です。
新設されて、まだまだ新しいサービスです。
利用するための条件は以下の福祉サービスの利用が前提となっています
他の福祉系サービスを使わず、就労定着支援だけ使いたいということは認められていません。
就労移行支援事業とセットで行っている事業所が多い傾向ですので、一緒に調べてみましょう。
【まとめ】障がい者雇用は手帳なしでも可能なのか
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
以下にまとめます。
障がい者雇用は手帳を持っていることが前提です。
手帳をもつことに抵抗感がある方もいますので、取得は任意となっています。
メリット・デメリットがありますので、しっかり抑えたうえで検討をして頂ければと思います。
手帳を持っていても社会生活を営むうえで壁になることはないと思います。お金に困っている場合はメリットの方が大きいです。
仕事をしていない期間が長くなると履歴書にも響いてきます。
- 何をしていいか分からない
- どこか不安な気持ちがある
- 何に困っているのか分からない
など、こんな場合は思いきって福祉サービスの利用はアリです。
悩む時間が減り、新しい価値観を入れることができます。
使うか使わないかは別として、自分を整理するためにも相談はすべきだと言えます。
相談は無料です。
就労移行支援についてはこちらの記事で学べますので、分からない方はまず一読しましょう。
あなたの行動を応援します。
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