「就労移行支援」って分かってきたけどいいのかなぁ?
利用して人生失敗したくないし、まだ迷ってる。
しっかり検討したいんだけどなぁ。
でも、心のどこかでまだ怪しいと思ってしまう。
こんな疑問を解決します。
就労移行支援の選び方でも解説しましたが、大手の事業所は情報もしっかり出ていて安心すると思います。
失敗しないための選び方は「情報収集」をして「自分で確かめる」ことが必要です。
安心材料としてサービスのメリットが分かれば、より就労移行支援について理解が深まると思います。
就労移行支援の「メリット」に絞ってまとめます。
「あなた」に当てはめて考えていただければ、より具体的にイメージがつきます。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
私は「就労支援の職員」として事業所で仕事をしています。
「就労移行支援」というサービスを知らないまま見学に来られる方は、実はとても多いです。
こんなのがキッカケです。
就職関係で困っている方であれば「メリット」だらけですので、参考にしていただければ幸いです。
職員が解説する「就労移行支援」のメリット
実際に仕事で携わっていて感じる内容です。
支援者として利用者様が得られるメリットをまとめました。
- 何でも相談できる場所
- 独自プログラムで働くための学習ができる
- エージェントより手厚いサポート【事例あり】
- 働いたあとも継続サポートが受けられる
- 工賃が出るところもある
- 企業との信頼関係が厚い
- 利用料がほとんどのケースでかからない
- 事業所によっては独自で「交通費」や「昼食」の助成がある
- 就職はどんなエリアでも可能
- 【まとめ】職員が解説する「就労移行支援」のメリット
何でも相談できる場所
「仕事」をベースにして困っていることであれば「何でも」相談できます。
相談する「あなた」を馬鹿にするスタッフはいません。
相談される方は誰ひとり同じように育ってきていませんから。
- 学校を中退した
- 家庭内暴力を振るわれた
- 困り事を相談できる人がいない
など、置かれている状況は様々あります。
解決策まで掲示してくれますので、ひとりで悩むより相談したほうが楽になります。
下記のような感じの内容で、不透明でも相談できます。
- どうやって行動したらいいか分からない
- 自分のことが分からない
- 本当に働けるのか
- 病気について理解を深めたい
- 家庭環境が悪い
- 家から出たい
どうやって行動したらいいか分からない
とりあえず働きたいけど、どうすればいいか分からない
自分で考えることが苦手な方は多くいます。
こんな場合の対応方法は、
といった感じで、どこから考えていけばいいのか具体的な掲示をしていきます。
ふわふわな状態で相談しても問題ありません。
自分のことが分からない
「何をやっても失敗続きで、これからの人生をどうやって生きていけばいいのか分からない」といった切実な相談をされる方もいます。
こんな場合も、詳しく聞き取りをしていきます。
とにかく、正直に何でも暴露してしまって良いです。
相談した「あなた」にどんな特徴があるのか見てくれます。
本当に働けるのか
など、「本当に働けるのか」といった相談もあります。
など、情報を集めさせてもらいます。
何も無ければ別の手立てを掲示していきますので、ご安心下さい。
事業所のスタッフは「思考の引き出し」がとても多いです。
病気について理解を深めたい
持病を開示して、体調が悪く生活が不安定になっている相談は一般的です。
など、様々あります。
就労移行支援サービスは「働くための準備をする場所」
生活習慣、内服薬、考え方のコントロールができていなくても問題ありません。
通所しながら「あなた」自身ができるように支援をしていきます。
飲んでいる「薬」があれば伝えましょう。
どんな風に生活をしているのか、詳しく聞き取ります。
「あなた」にとって、これからどのようにしていくのがベストなのか答えが得られます。
家庭環境が悪い
仕事も続かないうえ、両親や親戚を頼ることができないというケースも多いです。
困り事はとくに「お金」になります。
ソーシャルワークといい、「あなた」個人だけでなく「あなた」を取り巻く環境要因まで分析をしてくれます。
その上で、利用できそうな社会資源を紹介することも行います。
などを利用して、仕事をしながらの暮らし方について提案を受けることができます。
家から出たい
「家を出て仕事をしたい」という悩みは20代に多いです。
前述したように両親との関係性が悪く、ストレスになっているという訴えも聞かれています。
不動産屋ではありませんが、収入や仕事の方法、生活スタイルにあわせて住む場所や生活の方法についても支援をすることがあります。
「仕事」と「生活」は切れない関係です。
独自プログラムで働くための学習ができる
「選び方」の記事にまとめましたので詳細は割愛していきますが、「働くための学び」が得られることは、仕事をしながら先の人生を生き抜いていくためにも大きなメリットだと言えます。
就労移行支援 = 学び
運営法人によって違いはありますが、「あなた」の困り事を解決するための内容がつまっています。
オリジナル教材などを用意している事業所もあり、インターネットや書籍だけでは学びきれない内容を得ることができ、それが就職するための自信に変わっていきます。
転職エージェントより手厚いサポート【事例あり】
有名な転職エージェントがいくつもありますが、就労移行支援のサポートは「個人」を重視したとても手厚いサポートです。
事例を加えて解説していきます。
就職できる、必ず進路が決まる
活動を通して「あなた」にあった働き方や職場を提案していくのが就労移行支援です。
「選び方」の記事にもありますが、大手事業所の就職率は9割です。
ほぼほぼ、就職できます。
転職エージェントは「斡旋」と「仲介」です。
といった対応もあり、自分で動かなければ八方塞がりになってしまいます。
就労移行支援の利用期間は「2年間」という決まりがあります。
(詳細は「手順」の記事に確認があります)
仮に期限内に就職ができなかった場合、就労継続支援A型事業所・B型事業所といったように、使える資源を提案するかたちを取ります。
「あなた」が不利益になるような終わり方は絶対にありませんので、ご安心下さい。
事前準備をしてから働ける
これだけは抑えておいて下さい。
就労移行支援 ≠「職業の斡旋」
仕事を紹介する役割は、就労移行支援の本来の目的ではありません。
「あなた」の自立を促して「ステップアップ」していくための支援機関です。
仕事に就く前に事業所独自で提供するサービスを通して、働く前の事前準備をすることができます。
事例を紹介します。
就職準備:事例①
自分に合う職場探し
社会人経験がないTさんが取り組んだのは、社会で働くためのビジネスマナーや仕事をしていく上で必要なコミュニケーションなどを重点的に学ぶための「ビジネスマナープログラム」。同僚との会話、上司への相談や報告など職場を想定した様々な場面でのコミュニケーションや社会人としての作法を学びました。また、パソコンを使って事務作業をするプログラムにも積極的に参加し、就職に向けた準備を積極的におこないました。
様々なプログラムに取り組んだ後は、自分に合った職場を探すため、企業インターンに参加します。スタッフが気をつけた点はTさんの障害特性を考慮した企業かどうかです。「ジョブコーチやOJTなどメンタルケアがしっかりしているところ」「あいまいなことが苦手なので決まった仕事があること」「マニュアルがしっかりしていること」などの観点からインターン先を探しました。
数社のインターンを経験し、自分の働くイメージができる1社に出会いました。
そこで面接や筆記試験、雇用前実習を経て採用。わずか1年で正社員として内定をもらうことができました。
引用先:litalico works 就職事例ストーリー
就職準備:事例②
コミュニケーションに対する抵抗・恐怖感をなくす
Mさんは、子どもが好きという理由から教育系に絞って転職活動をおこなっていましたが、「どんな仕事が向いているかわからない」「障害を開示せず働くためのスキル・経験があるか不安」「教員免許はあるけれど、自信がなくなった」などの理由から、1人で就職活動をすることに限界を感じ相談に至りました。しかし、ある日の面談で「うまく笑うことができない」「コミュニケーションへの抵抗・恐怖感がある」とスタッフに伝えました。そこでスタッフは、Mさんが今までの「人とコミュニケーションを通じた成功体験」を引き出し、スタッフやほかの利用者の前で話すなどのトレーニングを繰り返し、自己肯定感を上げるように支援を強化しました。その成果がすぐに出て、他の利用者から頼りにされる・相談される存在になりました。
引用先:litalico works 就職事例ストーリー
就職準備:事例③
就労支援の開始
Eさんが「自分の言動が相手を不快にしている」「会話がうまく続かない」「輪に入れない」ということを不安に感じていると聞いていましたが、当初は客観的に見るとそれほど課題となるような言動は見当たりませんでした。しかし、いつも先回りした不安感に苛まれ、孤独を感じていることがわかりました。
そこで私たちは著しい自信喪失に対し、考え方を徐々に変えていけるようなプログラムをおこなうとともに、「できること」に気持ちが向くようにサポートしていきました。
就職に対しては前向きで「仕事はしたい。これまでもどんなに辛くても仕事を休んだことはない」と話されていたので、Eさんに合いそうな求人を提案していましたが「職場の人と仲良くなれるか不安……」という理由から、なかなか就職活動への一歩が踏み出すことができずにいました。
就労支援をはじめてから半年ほど過ぎた頃、私たちは提案をしました。「このままでは時間だけが過ぎてしまいます。まずは就職活動の一歩を踏み出してみましょう。ハローワークにいって求人情報を探しましょう」するとしぶしぶではあるもののEさんは納得をしてくれました。
すると驚いたことに、翌日ハローワークへいくと、ある企業の面接がその日のうちに決定しました。さらに面接後すぐにその会社から採用通知をいただきました。私たちはもちろん、本人も驚きの早さでした。就職活動再開から就職までまさにあっという間の出来事でした。
引用先:litalico works 就職事例ストーリー
「あなた」の特徴にあった提案をうけ、一緒に決められる
前述した事例にもあるように、スタッフの提案によって一緒に決めていくことができます。
自分のやりたいこと、自分の特徴などをよく聞きなが検討していくことで、仕事選びの選択の透明性が高まっていきます。
自分の意外な一面に気づけたり、思った以上に長く務めることができたりと人生が好転していくきっかけとなります。
関係機関や面接会場への同行支援
市役所、ハローワーク、お仕事説明会などへも同行してくれますので、難しい手続きや分からないことがあれば、何でも頼ることができます。
前述した「家から出たい」という場合も、「あなた」の状態や希望に合わせて不動産へ同行をすることがあります。
仕事に関わる「生活支援」も、就労移行支援が担う役割です。
また、採用試験時に面接会場まで送迎することも行いますので、緊張感も少々軽減するきっかけになります。
正式利用前から「医療機関」の同行支援がうけられる【聞くべき】
「メンタルクリニック」の医療機関は年々受診の壁が低くなっています。
就労移行支援事業所の見学時に、相談をしましょう。
解決に向けて動いてくれます
就労移行支援事業所は、見学時から支援に動き出してくれるところが殆どです。
医療機関などの相談で困った際は、必ず相談をしましょう。
働いたあとも継続サポートが受けられる
「就職したから終わり」ではありません。
「仕事に就く」ことがスタート地点で、仕事が始まったら継続するためのサポートをしていきます。
これを「定着支援サービス」と言います。
支援方法はおもに2つです。
- 定期的に連絡、面談
- 必要に応じて、転職のサポートをする
定期的に連絡、面談
すぐに仕事を辞めないよう、定期的に℡連絡をしたり、面談などで「あなた」を支えていきます。
「何でも相談できる窓口」ですので、困ったことがあれば何でも相談していくことが可能です。
ひとりで悩み事を抱えなくても良くなりますので、就職してからもストレスを減らしながら仕事ができます。
必要に応じて、転職のサポートをする
もし就職してから自分に合わない職場だと感じたら、転職のサポートも行います。
具体的には「あなた」に合いそうな職業案件の紹介になるため、情報収集や面接などの段取りは「あなた」主体で行うことになります。
相談先がしっかりありますので、ひとりで悩む時間が減り、スムーズに行動することができます。
企業との信頼関係が厚い
就労移行支援事業所は、就職の関係で多くの企業と繋がりをもつようになります。
とくに大手の事業所になると、就職先の企業の知名度が高かったり大手上場企業だったりします。
就職先の実績は公開しているところも多く、閲覧した企業様からの印象も変わるため採用に繋がるきっかけにもなります。
企業サポートをしている
就労移行支援は、利用者様を採用していただいた企業様に対して、コンサルティングを行う役割を担っています。
など、マネジメント業務に困り感を示めしている職場が多いです。
利用者様と企業の仲立ちをする機能をもっているため、両者にとっても良い選択が可能になります。
通いながら工賃(お給料)が出るところもある
企業サポートをしていきながら企業との繋がりも強固になることで、お付き合い先の企業から生産性のある仕事の一部を「業務委託」で請け負っている事業所もあります。
とくに金銭面で困っている利用者様にはメリットが大きいです。
仕事を体験して対価が得られる
事業所で「委託業務」をこなすと、決められた対価を工賃(お給料)として受け取ることができます。
内容は事業所によって様々です。
など、色々あります。
本当にお小遣い程度の金額ですが、何より生産活動をして実績の対価が得られる体験によって、自分のスキルに自信が持てるメリットがあります。
就職をすることが目的ですから、「工賃で稼ぐ」というのは観点がズレてしまいますので気をつけたいところです。
利用料がほとんどのケースでかからない
これは事実です。
ほぼ「無料」で利用が可能
現場をみていると、「無料」で利用されている利用者様のほうが多いです。
「無料」で通える場所ができ、専門のスタッフが付いて、さらに必要な学習内容を提供していただけることを考えると「利用しない」という選択肢は「もったいない」と言えます。
ひとりで悩んで答えが見つからないよりも、実際に聞いて分かるほうがが時間の使い方も効率的です。
悩む時間よりも行動する時間を増やすほうが、就職に繋がるための近道です。
事業所によっては独自で「交通費」や「昼食」の助成がある
多くの人が無料で利用でき、かつ、交通費や昼食の助成が事業所によってあります。
交通費は「あなた」の住所がある地域によっては「行政」が助成してくれるケースもありますが、これは自治体の判断によるため得られない地域があります。
金銭的な問題で支援が受けられない方も多くいるため、企業努力による助成はありがたいと言えます。
昼食についても、独自で設けている事業所があります。
実態については見学すること
「交通費」や「昼食」が助成されるといっても、事業所独自でルールを制定しているところも数多くあります。
公平性を持たせるために、通所日数や事業所までの通勤距離などに応じて内容が変わるケースもありますので、事業所の見学を通して直接確認することが望ましいです。
就職はどんなエリアでも可能
「将来どこで働きたいのか」は、あなたが思い描く未来像によって左右されます。
ご自宅から通える範囲なのか、親元を離れ「都市部」に出て、一人暮らしをしながら働きたいのか、それによって就職する場所が変わってきます。
しかし、基本的にどこのエリアを希望しても就職サポートを受けることが出来ます。
あなたの希望を叶えます
東京、神奈川、埼玉など都市部から山梨、群馬、栃木など地方都市で就職をしたい場合も、支援をしてもらえます。
多店舗展開している大手の就労移行支援事業所であれば、事業所ネットワークを活かして情報収集が可能ですので、あなたが希望するエリアの就職情報を仕入れることも可能です。
ただし、「面接会場までの交通費」については自費となるケースが一般的ですのでご注意下さい。
【まとめ】職員が解説する「就労移行支援」のメリット
就労移行支援のメリットはいかがでしたか?
まとめると、
- 働くための事前学習ができ自信が持てる
- エージェントより手厚く「進路」が必ず決まる
- 働いたあとも継続サポートが受け、転職もサポート
- 通いながら工賃(お給料)が得られる事業所もある
- 企業サポートを通し信頼関係が手厚い
- 利用料がほとんどのケースでかからない
- 事業所によっては「交通費」や「昼食補助」がある
- 就職はどんなエリアでも可能
お困りのかたは、通うことで得られるメリットのほうが大きいと言えます。
人生は一度切りです。
ひとりで悩み、自己解決してうまく行ったことはありますか?
体が動かなかったり、頭が重くて何も考えられなかったり、人と接するだけで恐怖を感じたり、つらい症状を抱えて苦しんでいることも承知しています。
ですが、悩んでいる時間で得られる物は大きな物ではありません。
「なんでも相談できる」のが就労移行支援事業所
何でも構いません。
相談してみてください。
解決の糸口が必ず得られます。
この記事を参考にして「あなた」の人生が好転するきっかけを作りましょう。
少しでも興味がわいていれば、まずは迷わず見学について調べてみましょう。
⏬ 次に、こちらで解説 ⏬
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