就労移行支援で一般枠の応募はどうなんだろう?
一般枠っていまいち分かりにくい
発達障害は一般枠でもいいのかなあ
こんな悩みを解決します。
就労移行支援について調べると障害者雇用はもちろん「一般枠」という言葉もよく聞くと思います。
言葉の違いが分からないといった方もいると思いますが、考えている以上に難しくありませんので整理していくことをおすすめします。
この記事では就労移行支援を利用して一般枠の応募をした場合にどうなってしまうのかを解説していきます。
一般枠、障害者雇用枠について検討することができますので、参考にして頂けます。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
この記事の信頼性については運営者プロフィールをどうぞ。
私は現在進行形で就労支援に関わっている職員です。
仕事では一般枠や障がい者雇用枠のメリット・デメリットについても案内をしています。
業務を通して体験している内容を記載していきますので、一定の信頼がある事柄となっています。
最後まで参考にして頂ければと思います。
では、いきます。
就労移行支援を利用して一般枠の就職を実現させた場合の末路
以下の流れで解説をしていきます。
はじめに、3つの前提を理解しておくことが必要です。結論としては「悪い結果にはならない」のでご安心下さい。
前提①:障害者雇用とは
障害者求人による雇用案件で、障害者枠とも言われます。
企業が設けている障害者枠(雇用枠)
障害者雇用率制度による法定雇用率達成が義務付けとなっています。従業員数に応じて、障がい者手帳を保持者を配置しなければならない決まりがあります。
一般的な企業で設けている「障がい者雇用枠」を言います。
前提②:障害者雇用の条件
障害手帳を持っていることが必須です。
障害者手帳をもっている
障害者手帳は3種類あり、以下のいずれかの所持となります。
身体障害者手帳
等級は1~6級まであり、手帳に有効期限はありません。
療育手帳
知的障がいがある方に向けて発行しており、自治体で運用しています。
手帳の名称は自治体によって異なり、等級や期限も自治体の取り決めで変化します。
精神保健福祉手帳
等級は1~3級となっており、 2年毎の更新が必要です。
取得するためには、初診から6ヶ月以上の経過が必要です。
前提③:障害者雇用は手帳なしでもいけるのか?
手帳なしでは難しい
下記の記事で詳しく解説しています。
障害者の一般就労とは?
一般就労は「一般企業で働く」という意味合いとなります。方法は以下の二つに分かれます。
オープン就労
ハローワークにある一般的な雇用案件に応募する際に障がいをオープンにしていく方法です。多くは面接で打ち明けるパターンが多いですが「障がい者雇用枠」ではありませんので、業務内容や配慮については交渉となってきます。
クローズ就労
オープン就労の逆で、ご自身の障がいや病気を話さないで就職する「通常の就職方法」です。
採用後は病気について開示できませんので、病気による不調は職場に打ち明けられません。
欠勤が続くと職場からは心配されますし、ストレスを抱え込むことになります。
障害者枠から一般枠はあり得るのか
あり得る
仕事の成果、立ち居振る舞いが配慮なしでも問題ない場合
障がいがある方でも第一線で活躍でき、通常の職員と変わらない条件で働ける場合は一般枠への切り替えもあります。
状態が改善し、障害者手帳が更新されなかった場合なども該当します。障害手帳がなくなったことを理由に退職へ追いやられると不当解雇にあたります。
発達障害の障害者枠は辛いのか?
- 「マッチング」できていれば問題なし
- 現実的に需要できていなければつらい
適切な職場環境と仕事内容
発達障害の特性で苦手なこと、得意なことといった凹凸感があると思います。
本人が自分のことを納得しつつ、能力を最大限に発揮できる条件を理解しており、それを回りにどれだけ汎化させることができるかで変わっていきます。
給料ばかりにこだわっていても仕事が選べませんし、環境や待遇を重視し過ぎていてもみつかりません。
自分に取って必要なものが大切となります。
折り合いがつけられていなければ、障害者雇用は辛いと考えられます。
障害者枠はずるいのか?
ずるくない
障害者枠は最適化された働き方
- 休暇がとりやすい
- 障害特性に応じた仕事
- 長く働くための合理的配慮
通常の働き方と比較すると最適化がなされています。給料格差は頻繁に当事者からも問い合わせがありますが、多少安くても、長く働けるという観点で考えると良いと考えられます。
転職・就職活動の方が不安定で多大なエネルギーを消費してしまいます。
転職活動は私自身も負荷が大きいです。障がいの有無に関わらず、大変なことだと思います。
障害者枠は惨めなのか?
惨めではない。そう考えてしまうのは、自分を受容しきれていない。
できなくなった自分が悪いわけではない
健康を損なうことで日頃の生活、当たり前のことの有り難みが分かるものです。
- 自分で予防できる
- 突発的で何もできない
- 物心ついた時に気づいた
など、様々な体験があるかと思います。
今は必要な情報がオープンになっている時代ですから、「あなた」にしかできないことが必ずあります。
どんなに時間をかけても、見つけることができれば人生の充実感が増し「あなた」らしい暮らしができます。
一般枠をめざすなら就労移行支援はあり
使えるサービスを使わないのは勿体ないです。ひとりで錯綜してしまうより、あなたの置かれている状況をオープンにしてしまった方が楽になってきます。
就労移行支援とは?
- 仕事が長く続かない
- 働けなくて困っている
- どの仕事が向いているかわからない
こういった就労に関する悩みを解決することができます。
サービス自体は国が提供しているものに則っていますので、安心感はあります。
こちらの記事で概要が得られます。
移行支援から就職するポイント
ざっくりポイントをあげるとこの5つです。
- 必要な訓練を受ける
- 配慮事項か整理できる
- 強みと弱みが明確化となる
- 働くために必要な環境をみつける
- 適切な仕事、職場環境とマッチング
なんとなく通所していても就職は達成できません。
就職できないことを事業所の責任に置き換える方もいますが、すべてがそうではありません。
自分と真摯に向き合い、不足部分を補ったり、強みを強化していくことが大切です。そのためには、自分に合った事業所に通わなければ満足感が得られません。
下記の記事では事業所の口コミを解説しましたので、参考にして頂けます。
就労移行支援を利用して就職したら?
- 就職後もサポートがある
- 職場は下手に辞めさせられない
定着支援でサポートを受ける
就職して6か月後は事業所が任意で、7ヶ月目からは定着支援事業として契約してサービスを利用していきます。
定着支援は、就労移行支援事業所の職員が「職場」と「本人」の仲立ちをしてくれます。ご自身のご病気や特性をオープンにして就職された場合に大きな力となります。
クローズ就労でも定期的に「あなた」と面談対応をしてくれます。名の知れないカウンセリングを受けるより、知っている職員からアドバイスを受けた方が安心感もあると思います。
就職に繋がる就労移行を探す方法
結論:運営規模の大きい事業所が有利
下記の記事で事業所の選び方について解説をしましたので、ここでは詳細は控えます。参考にどうぞ。
【まとめ】就労移行支援を利用して一般枠の就職を実現させた場合の末路
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
結論を冒頭で述べた通り、末路は悪くありません。しかし、就職を達成するまでは大変で、山あり谷ありです。
障害者雇用を検討する場合、個人で動くより、就労移行支援事業所を介した方が、不当解雇の心配や職場でのいじめ等で辞めさせられるといったことはあり得ません。
相談先も保証されていますので「あなた」のメンタルが保たれます。
私は支援を受けるメリットか大きいと考えらますがどうでしょうか。
時間を浪費するより、移行支援事業所に相談してしまった方がすすみも良いです。
最後に関連記事をまとめますので、分かりにくい箇所は参考にしていただければ幸いです。
「あなた」の行動を応援しています。
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