ADHDの障がい者雇用はコレを抑えて【経験談あり】

<strong>20代女性</strong><br><strong>ADHD</strong>
20代女性
ADHD

ADHDだけど障がい者雇用枠が良いのか分からない。

<strong>40代女性</strong><br><strong>ADHD</strong>
40代女性
ADHD

ADHDでも障がい者雇用枠で働けるのかな?

<strong>20代男性</strong><br><strong>ADHD</strong>
20代男性
ADHD

ADHDは障がい者雇用の方がいいのかな。


こんな悩みを解決します。

ADHDに限らず発達障害を抱えながら働いている方は多くいます。

「大人の発達障害」という言葉が世の中に浸透してから、発達障害をオープンにされる方も増えており、働き方も多用化しています。

障がい者雇用を検討する場合は必ず抑えるポイントがあります。

この記事ではADHDの方が抑えるべき障がい者雇用枠について解説をしました。

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

小林玄人(ハルト:@haruto_shelf

執筆者の経歴

  • 作業療法士10年以上
  • 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
  • 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)


この記事の信頼性については運営者プロフィールをどうぞ。

私は現在進行形で就労支援に関わっている職員です。

ADHDの方で障がい者雇用枠を検討されている方も多くいます。

障がい者雇用で働くためには知らないといけないポイントがありますので、経験をもとにしながら解説をしていきます。

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ADHDの障がい者雇用はコレを抑えて

ADHDの障がい者雇用はコレを抑えて

以下の流れで解説をしていきます。

  • 一般雇用、障がい者雇用の違いを抑えよう
  • 一般雇用と障がい者雇用では就活の方法が異なる
  • 発達障害のある方は 障がい者雇用だと生活できないのか?
  • 発達障害のある方に障がい者枠での働き方は辛いのか
  • ADHDの場合、障がい者雇用で働くなら障害年金は必須なの?
  • ADHDの方が障がい者雇用で長く働くためには


一般雇用、障がい者雇用の違いを抑えよう

一般雇用、障がい者雇用の違いを抑えよう

ポイントは2つあります。

ポイント①:合理的配慮


一般雇用では通常の業務を行うにあたって以下のような配慮は行いません。

<strong>20代男性<br>ADHD</strong>
20代男性
ADHD

○○が苦手だから無理です。

<strong>女性リーダー</strong>
女性リーダー

どうすればできるのか努力して下さい。できるようになって下さい。

<strong>20代女性<br>ADHD</strong>
20代女性
ADHD

吹き出しこれ以上、作業速度は上げられないです。

<strong>男性リーダー</strong>
男性リーダー

もっと努力して下さい。姿勢がなければそれなりの人事評価とします。


ちょっと極端ですがこれが通常の対応です。企業とかわした雇用契約書に沿って求める仕事内容が達成できなければ給料に響く対応に変わっていきます。

障がい者雇用では本人の特性で実行できないことに対して合理的配慮が行われます。

<strong>20代男性<br>ADHD</strong>
20代男性
ADHD

私は発達障害の特性で口頭指示が入りにくいです。作業手順が分かるよう明記して頂ければ、それに沿って動けます。

<strong>女性リーダー</strong>
女性リーダー

手順を簡単な図と文で示しますので、沿って行って下さい。

<strong>鬱病<br>会社員</strong>
鬱病
会社員

鬱病の特徴なのか真面目にやり過ぎてしまうところがあります。集中しすぎてしまうので、休憩を取るように声かけをして貰えると仕事ができます。

<strong>男性リーダー</strong>
男性リーダー

分かりました。1時間くらいの間隔で進捗確認を兼ねて声かけをします。

これが合理的配慮です。

できないことがあっても代替方法や上司のちょっとした気配りで解決ができたりします。

なお、こういった配慮は人事評価に含まれません。

ポイント②:求められる人物像

  • ○○ができる人
  • 後輩の育成ができる人
  • 現場をまとめるマネージャー

これが一般雇用では通常です。

障がい者雇用の規模や業種・職場環境にもよりますが、こういったものは障がい者雇用にもあります。

障がい者雇用の方を集めてチーム編成で働く部署ならあり得ます。

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

私の事業所の卒業生は中小企業の障害者雇用で部署リーダーを担っています。奮闘しているようですが、充実した様子を報告してくれます。


障がい者雇用のリーダー的役割ですが、

  • できない業務をフォロー
  • 仕事の仕方を教える
  • 上司と連絡をとる

といった内容に留まります。

一般的な役職であればもっと重い責務が伴いますが、そこまでの内容はありません。

失敗があっても通常は重くできません。

一般雇用、障がい者雇用の違いを抑えよう



図の通り、障がい者雇用チームをまとめるマネージャーがさらに上にいます。

マネージャーがより精度の高いマネジメントをするという意味になりますので、一般雇用とは責務の違いはあります。

障がい者雇用をメインとしている特例子会社は、障がい者雇用のリーダーも合理的な責務を伴います。

理由は人事制度が一般企業の障がい者雇用よりも綿密に作られているからです。

一般雇用と障がい者雇用では就活の方法が異なる

一般雇用と障がい者雇用では就活の方法が異なる

異なるポイントは「書類作成」と「事前実習」

書類面に加わる就労パスポート

書類面に加わる就労パスポート
引用:厚生労働省_就労パスポート

就労パスポートの概要は厚生労働省:就労パスポートのページをどうぞ。

必要な配慮事項や自分の特徴を細かく明記して応募先へオープンにしていきます。

職務経歴書とは別で添付します。

義務ではありませんが、こういったものを添付できるかどうかで採用率が変わります。

面接前に仕事の事前実習、ハローワークを介して

ハローワークには障がい者雇用専用の窓口がもうけられており、障がい者の職場実習制度を利用した見学・実習内容の相談を受けてもらえます。

検討している職場の採用担当者にしてくれますので、繋いで貰ったら自分で調整をしてすすめていきます。

一般的な就職活動だと業種によっては見学を受けてもらえますが、実習まではありません。

発達障害のある方は 障がい者雇用だと生活できないのか?

発達障害のある方は 障がい者雇用だと生活できないのか?

必要な月収額は本人の置かれている背景因子に左右されるが、身の丈にあった生活は可能

障害年金の有無、体調で選択肢が変わる

障害者年金が貰えるかで選択肢は大きく変わります。

子育てをしていたり、奨学金やローン返済等があると月収額もそれなりに必要です。

体調が悪いにも関わらず無理をしてフルタイムで働く選択肢を迫られることもあると思いますが、果たして本当に良いことなのか…考えなければなりません。

例①:必要月収 14万円 の場合

内訳

  • 障害年金支給あり :基礎2級 約63,000円

最低限必要な労働条件(例)

  • 時給970円
  • 5時間労働
  • 週4回 パート勤務
    → 月収77,600円

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

最低賃金は各都道府県による決まりはありますが、無理がないパート勤務でも達成ができます。


例②:必要月収 14万円

内訳

  • 障害年金支給:なし

最低限必要な労働条件(例)

  • 手取り支給 14万円
  • 8時間労働
  • 週5日 フルタイム勤務

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

ある程度の月収額が必要なで、障害年金が無い場合はキツイ労働を選択しなければなりません。


障がい者雇用で安定的に働いている人は多い

「障がい者雇用で働けない」というのは間違った認識です。

「働けない」と考えてしまう場合は、まず必要な月収額を整理していくことが必要です。

当事者が置かれている背景因子によって必要以上に稼ぐことが必要であれば、それなりに必要だといえます。

また、障害年金の有無で左右される側面があります。

身の丈にあった生活であれば一般的に問題ないと思います。

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

おかれている状況にもよりますが、まずは仕事を続けるという考え方が大切です。

<strong>20代女性</strong><br><strong>ADHD</strong>
20代女性
ADHD

「続けてみる」ってことね。

発達障害のある方に障がい者枠での働き方は辛いのか

発達障害のある方に障がい者枠での働き方は辛いのか

必要な配慮を伝えて切れていなかったり、自分の受け止め方に課題があれば辛い

仕事内容、職場がマッチングすれば長く働ける

自分の特性をしっかり理解したうえで、必要な職場環境や仕事内容を見つけることができていれば、以下は回避できます

  • できない職種・仕事を選択すること
  • お給料重視で仕事を探すこと
  • 年間休日で職場を選ぶこと

特性が理解できていない方は長く働けない選択ばかりされる傾向がみられますので、障がい者雇用は受け入れない方が多いです。

しかし、自分について理解を深めていけば、選択する時に様々なことを考慮して天秤にかけることができます。

障がい者雇用の配慮についても理解が深まるはずです。

ADHDの場合、障がい者雇用で働くなら障害年金は必須なの?

ADHDの場合、障がい者雇用で働くなら障害年金は必須なの?

必須ではないが、支給されていると仕事の選択負担が楽になる

自分に見合った就労生活が可能に

障がい年金が支給されていると、負荷がかかるフルタイム勤務といった選択肢をしなくて済みます。

社会貢献としての就労も、週4回・5時間のパート勤務等で可能となりますので、体調を労りながら「長く働く」という考え方に変わっていきます。

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

私の事業所では貰えるようであれば取得を促しています。

不安や焦りといった思考も回避できて、メンタルが安定してきます。


ADHDの方が障がい者雇用で長く働くためには

ADHDの方が障がい者雇用で長く働くためには

以下の二つを抑えよう

できる仕事を選ぶ

必ず自分ができる仕事を選ぶことはマストです。

以下のような選択をすると失敗します。

  • 遅刻してしまうにも関わらず、朝7時始業の配送業務を給料重視で選ぶ
  • 実務的なPCスキル取得が非現実的にも関わらず、事務職を目指す
  • 同時処理が難しいにも関わらず、慌ただしい工場での生産を選ぶ
  • 必ず自分の力が発揮できる選択を間違えないようにする


配慮事項に合った職場環境を選ぶ

  • 慌ただしい雰囲気
  • 自分のペースで進められない
  • 上司が進捗をたしかめてくれない


あくまで一例ですが、こういった職場を選択してしまうと消耗していき体調不良のきっかけとなります。

本当に必要な配慮事項を伝えても、全ての職場で希望が通るとは限りません。

応募活動を繰り返し、自分にとって良い選択ができる機会を根気よく探る行動が大切です。

【まとめ】adhdの障がい者雇用はコレを抑えて

【まとめ】adhdの障がい者雇用はコレを抑えて
  • 合理的配慮、求められる人物像が一般就労と障がい者雇用枠で異なる
  • 障がい者雇用では事前実習・就労パスポート作成が応募活動に含まれる
  • 発達障害でも障がい者雇用で身の丈にあった暮らしが可能
  • 発達障害による特性整理ができていないと障がい者雇用枠は辛い
  • ADHDといった発達障害に限らず、障害年金はあった方がよい
  • ADHDに限らず障がい者雇用枠で長く働くためには、自分にあった選択が必要


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ADHDの障がい者雇用ということでまとめていきましたが、発達障害全般に当てはまることでもあります。

ポイントを抑えても良く分からなかったり、不安が残る場合は次の方法が確実です。

失敗したくない方は「エージェント」「就労移行支援」

ひとりで頑張るのではなく、使える資源を積極的に使って難易度を下げていこう。

①障がい者雇用専門の転職エージェント

専門の転職エージェントがあり、無料相談ができますので活用をおすすめします。

ひとりで辛いことを繰り返すより、エージェントに介入してもらった方が就職の難易度が下がります。

<strong>小林玄人</strong>
小林玄人

私が支援を通してよく使っているところです。

多くの人が利用者様が使っていますのでおすすめです。

興味がありましたら一読されて下さい。


②就労移行支援を利用する

ひとりで障がい者雇用枠の応募活動をすすめて10社落選した事例もよくあります。

面接に通らない場合は、不足していることが必ずあります。

合格するための方法を学ぶ方が近道です。

就労移行支援事業は誰もが使える資源で、ほとんどの方が無料で利用されています。

詳細はこちらの記事からどうぞ。


どうしても障がい者雇用枠での就職活動に抵抗がある方は資源を使って準備することで安心に繋がります。

資源については履歴書にも記入できますので、利用することで必ず前進していきます。

 ひとりで抱えこまず、楽になるように使えるものはとことん使っていきましょう。

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