オレ、発達障害かもしれない。
仕事も続かないし、どこの職場に行っても人間関係で躓く。
色々考えて整理することも苦手だし、
なんだか疲れる。
どこに相談すればいいんだろう。
治るのかも分からない、もう嫌だな。。。
こんな疑問にお答えします。
どう生きていけばいいのか、ひとつの方向性を定めていくには「学び」を得ることが必要です。
不安なことを解消するために、誰もが「調べる」行動をとると思います。
例えば「お腹が痛い」という症状を検索すると、いくつか症状や病名がヒットしますので、どれが自分に近いのか当てはめて調べると思います。
大人の発達障害かも・・・という場合も同様です。
- どんな症状が自分に当てはまるのか
- そもそも大人の発達障害とは何なのか
- 大人の発達障害はどんな仕事がいいのか
- 相談場所はどこなのか
段階に応じて必要になる情報がありますので、順を追いながら学んでいきましょう。
この記事は、大人の発達障害の概要について網羅しています。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
本業では障害のある方の就職支援を行っています。近年、大人の発達障害の利用者様は増加傾向です。
発達障害の特性が原因となって、安定して働けない方がほとんどです。
20代のうちに10ヵ所以上の職場を転々とされている方もいます。
支援している経験を活かして、大人の発達障害について概要をまとめていきます。
大人の発達障害について学びましょう。
「大人の発達障害」を知るための教科書
そもそも大人の発達障害とは何でしょうか?
医学的な側面と、実際に仕事をして困る場面について解説していきます。
大人の発達障害とは何?
Googleで「発達障害」の検索をかけると、意外なことにテレビで見たことがある著名人も公表していることが分かります。
発達障害は身近になりつつあり、10人に1人のこどもが指摘をされています。
具体的には、「30人学級に約2人はいる」と言われます。
こちらの記事から分かりますので、一読下さいませ。
10人に1人?日本で「ADHDの子ども」が急増している深い事情
発達障害を公表した著名人たち
推測ではなく、ご自身から公表されている一部著名人をピックアップしてみました。
米津玄師
引用:
栗原類
深瀬慧(SEKAI NO OWARI)
黒柳徹子
ブリトニー・スピアーズ
トム・クルーズ
ビル・ゲイツ氏
https://news.livedoor.com/lite/article_detail_amp/17659948/
https://matome.naver.jp/m/odai/2146847011592558101
https://www.google.com/amp/s/ascii.jp/elem/000/000/308/308410/amp/
著書、インタビュー等を参考にすると生きにくさを感じる一文も垣間見えますが、独自の才能(強み)によって、成功を納めていることもメディアを通じて分かります。
彼らが抱えているのは発達障害特有の「生きにくさ」です。
深堀していきます。
発達障害は脳機能の偏り
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
引用:厚生労働省
発達障害は軽度から重度まであり、症状によっては「病気」という言葉が当てはまりそうな場面も正直あります。
発達障害の本質は、
脳の機能の偏り
脳梗塞、心筋梗塞、胃潰瘍、肺炎、などの一般的な病気とは異なる概念です。
仕事ではこんなことが困る
脳機能の偏りによって、普通に考えて誰でもできそうなことが「できない」など、極端に得意、不得意が生じ、能力落差(凸凹)が大きくなります。
仕事場面では以下が当てはまります。
- 指示したことが分かりにくい
- 注意を促しても時間内に仕事が終わらない
- 電話の応対ができない
- 遅刻が全く治らない
- 複数の依頼事が処理できない
- 応答がたんぱく(愛想が全くない)
- 少しでも方法が変わると対応できない
- 仕事が何年も覚えられない
- 教えたことを数時間で忘れる
- スケジュール管理ができない
- 注意してもミスが多い
など、
これらが積み重なることで、
職場の雰囲気が悪化
↓
対人問題(コミュニケーション問題)へ発展
結果的に対人トラブルで退職となるケースは多くあります。
職を転々とせざるを得ないこともあり、安定した職業につけない悩みも多いです。以下のページが参考になります。
大人の発達障害の診断方法は?
近年、発達障害が増えている理由のひとつに「診断基準の明確化」があります。
発達障害の診断分類は、
アメリカ精神医学会が出版している精神疾患の診断・統計マニュアル( DSM-5)
世界保健機関による医学分類リフト(ICD-10)
これらによって定められています。
何をもって「障害」と診断するか
そのために、所見を集めるための作業をしていきます。
面談による問診
診療所、クリニック、病院などで医師が始めに行うオーソドックスな聞き取りが行われます。
風邪の場合は、
- いつから喉が痛い?
- 鼻水は?
のような問いですが、
発達障害の場合は、
- 子どもの時はどんな様子でしたか?
- 仕事で困っていることはどんな場面ですか?
- ◯◯の時はどうですか?
- 怒られることはありますか?
- 睡眠はどうですか?
- 気分の落ち込みは?
- イライラしますか?(どんな時?)
- 怒りっぽいですか?
対人交流を中心に、体の不調を聞き取っていきます。
医師がここまでやるのはかなり稀で、多くは診察前に看護師、心理士が行います。
医師は事前に聞き取ってもらった情報から、診断基準の該当を判断するため、エピソードの深堀をしていきます。
用紙によるスクリーニング検査
診断項目、診断基準に沿った質問用紙を用いて、簡易的に診断材料を集める方法です。
時間も10分~15分ほどで済み、負担も少なく行えます。
「子ども」と「大人」で使われる内容も変わりますが、大人の発達障害では主に以下が使われます。
SRS-2対人応答性尺度(成人版)
Social Responsiveness Scale Second Edition(エスアールエス・ツー)65項目からなる4件法による質問紙で、保護者や教師など、対象者の日常をよく知る人が回答し、検査者が採点します。
合計粗点と総合T得点により、ASDと関連した社会的障害の重症度を量的に把握することができます。
ASDの中でその重症度を捉えることにも、ASDと他の障害との間を識別することにも優れています。
引用:https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/srs2.html
AQテスト(Autism-spectrum Quotient)
DSM-5で定義された、高機能自閉症やアスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム障害のスクリーニングができ、研究・臨床の双方で国際的に利用されている検査です。
自閉症スペクトラム指数(AQ)は、個人の自閉症傾向を測定する目的で開発され、高機能自閉症やアスペルガー障害を含む自閉症スペクトラム障害のスクリーニングにも使用できます。
研究・臨床の双方で国際的に広く利用されており、自閉症の新しい考え方に対応した検査です。
成人用は自己評価、児童用は保護者などによる他者評価で、回答は「あてはまる」から「あてはまらない」までの4段階です。
「社会的スキル」「注意の切り替え」「細部への関心」「コミュニケーション」「想像力」の5つの下位尺度を備えています。
引用:https://www.chibatc.co.jp/cgi/web/index.cgi?c=catalogue-zoom&pk=250
A-ADHD 成人期ADHD検査
DSM-5(米国精神医学会発行の精神障害に診断と統計マニュアル)に準拠した、大人の発達障害(ADHD)をスクリーニング(弁別)するための検査です。
うつ病、不安障害、適応障害等の臨床現場での初診時や、大学・企業等での心の健康診断時に大人のADHDを発見するための検査として利用できます。
大人の発達障害(ADHD)をスクリーニングする検査として利用できます。
自己記入式。「あまりない」「ときどき」「しばしば」「いつも」の4つの中から1つだけを選択、実施時間は10~15分程度。
質問項目は35項目で構成。簡潔で曖昧さのない文章を採択。
質問はわかりやすくシンプル。
ADHDの主要な構成要素である三大症状(注意散漫、多動性、衝動性)に関連した20のチェック項目を選択、これらに加えADHDにみられやすい二次障害に関する9項目及び、自閉症スペクトラム障害(DSM-IV-TRにおけるアスペルガー障害)や学習障害などのADHDに併発しやすい神経発達障害に関する6項目を設定。
注意散漫に関連する14項目のみを用いればADDのスクリーニングも同時に行えます。
引用:http://saccess55.co.jp/a-adhd.html
心理検査
一定の方法に沿って行う検査です。
前述した「スクリーニングテストとの違い」は、
主治医ではなく、病院やクリニックに在籍する臨床心理士が方法に沿って行って下さいます。
一例をご紹介します。
WAIS-Ⅲ(知能検査)
言語性IQ(VIQ)、動作性IQ(PIQ)、全検査IQ(FIQ)の3つのIQに加え、「言語理解(VC)」、「知覚統合(PO)」、「作動記憶(WM)」、「処理速度(PS)」の4つの群指数も測定でき、一層多面的な把握や解釈が可能です。
IQや群指数のプロフィール、下位検査の評価点プロフィールの表示に加え、ディスクレパンシー分析、下位検査レベルでのSとWの判定、「符号」と「数唱」の精査も記録用紙上で行うことができます。
14の下位検査から構成されますが、IQか、群指数か、その両方かなどの測定したい目的に応じて実施する下位検査を選択できます。
検査に取り組みやすいよう動作性下位検査から開始し、飽きさせないよう動作性下位検査と言語性下位検査を交互に実施するよう配慮されています。
引用:https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/wais3.html
感覚プロファイル検査
感覚刺激への反応傾向を評価するSensory Profileの日本版です。 感覚の過敏さや過鈍さといった問題について、複数の感覚領域にわたり包括的に把握することができます。発達障害、特に自閉症スペクトラム障害のある方などに有用な検査です。
評価対象者のことをよく知っている保護者や観察者(支援者)などが質問票に回答し、検査者がスコアを集計します。
質問票は、聴覚、視覚、触覚、口腔感覚など、幅広い感覚に関する125項目で構成されています。
象限、セクション、因子という3種の尺度で感覚を測ることができます。
スコアリングのシステムには、神経科学、感覚統合および作業遂行の原則が組み込まれており、理論的枠組みに沿った判断が可能です。
短縮版は38項目で構成され、短縮版独自のセクションで感覚を測ります。スクリーニングや研究目的での使用に適しています。
引用:https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/sp.html
Vineland-Ⅱ適応行動尺度
適応行動の発達水準を幅広くとらえ、支援計画作成に役立つ検査です。年齢群別の相対的評価を行うとともに、個人内差を把握できます。適用範囲が広く(0歳~92歳)福祉・医療・教育・研究といった幅広い分野で利用可能です。
検査者が対象者の様子をよく知っている回答者(保護者や介護者など)に半構造化面接を行います。
対象者の年齢ごとに開始項目があり、また上限・下限を設定することにより、実施時間の短縮化が図られています。
適応行動領域では、4つの「領域標準得点」と、それらを総合した「適応行動総合点」(ともに平均100,標準偏差15の標準得点)によって、対象者の適応行動の全体的な発達水準が分かります。それぞれの標準得点には、信頼区間、パーセンタイル順位、適応水準、スタナインの統計値が備わっています。
4つの適応行動領域を構成する2~3の下位領域では「v評価点」(平均15,標準偏差3の標準得点)が算出され、領域内における発達の凹凸が分かります。v評価点には、信頼区間、適応水準の統計値が備わっています。
適応行動領域とそれを構成する下位領域はプロフィールを描くことができ、視覚的に対象者の特徴を把握することができます。
下位領域の粗点から相当年齢を求めることができ、対象者の得点がどの年齢集団の平均的水準と一致するかを知ることができます。
引用:https://www.nichibun.co.jp/kensa/detail/vineland2.html
大人の発達障害で診られる症状とは?
発達障害には特有の症状があります。
脳機能の偏りによって出てきてしまうもので、生きにくさの原因となります。
共通が多い項目として
- 社会性、コミュニケーション、想像力の障害
- 感覚の特異体質
- 運動が苦手
- 聴覚(聴く)より視覚的情報(目で見る)が優位
- 注意の分配が狭く、特定部分に強い
- 整理しながら関連付けが苦手
診断基準によって、現在は以下の三分類に分けられます。
ASD(自閉症、アスペルガー症候群)
自閉症やアスペルガー症候群を総称してASD(自閉症スペクトラム障害)といいます。
または「広汎性発達障害(PPD)」といわれ、ICD-10、DSM-5で表記が異なっています。
特徴的な症状によってさらに分類され、重症度によっては知的障害を伴う場合もあります。
共通している症状は、
- コミュニケーション障害
- 対人関係、社会性の障害
- パターン化している行動
※ ASDの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。
ADHD(注意欠陥多動性障害)
集中力、注意、衝動コントロールに困り事を伴うのが特徴です。
症状は、
- 不注意(集中できない)
- 物忘れが多い(忘れ物が多い)
- 多動(じっとしていられない)
- 多弁(話が止まらない)
- 衝動性(思考しないですぐ行動する)
- 抑制が利かない(我慢できない)
大人のADHDの方の体験談では、「人に騙されやすい」「よく考えないでお金を借りてしまった」など金銭トラブルもあります。
※ ADHDの詳細はこちらの記事です
多動症(HD)注意欠陥(ADD)を学ぶ:チェックリストで分かる
学習障害
「読むこと」「書くこと」「計算すること」に困難さが生じます。
- 「ひらがな」は読めるが、漢字表記になると理解ができない
- 文章がスムーズによめない(文字が認識できないポイントが出てくる)
- 黒板の字をノートに写すことができない
- 文字の形が整っていない
- 計算ができない(繰り上げ、繰り下げが理解できない)
- 図形やグラフがよく分からない
さらに手先の不器用さ、言葉と会話が苦手といった行動があったりします。
男女差はあるのか?
医学的には以下とされています。
ASD(自閉症スペクトラム障害)は男性に多い
こちらに性徴説が解説されています。
ADHD(注意欠陥性多動障害)は女性に多い
文献によると、
児童期に見られたADHDの症状について過去 を振り返って報告するという診断上の限界はあるものの、男性では30~60%、女性では 60%が、ADHDの症状を残したまま成人すると見積もられている28)。児童と成人の男女比 の違いについて、Williamson& Johnstonは総説論文の中で、年齢が上がるにつれ、ADHD の診断基準が男性には合わなくなり、女性には合ってくるようになる傾向があるのではな いかと推察している28)。児童のADHDにおける性差に関する知見は徐々に積み上がってき ているだけに、成人のADHDにおいても同様に研究を進めていく必要があると言えるであろう。
(省略)
不思議なことに、ADHDは最も広く研究さている児童の障害にも関わらず、性差に関す る知見は乏しく、男性とは異なった女性特有のADHDプロフィールを考慮した研究はほと んど報告されていない状況にある40)。
引用:ADHDの認知機能における性差
ポイントは、
- 男性にもみられるが、発達と共に女性が多くなる傾向
- 性差については、研究データが少ない
子供と大人では「脳の構造」がかわります。
大人になるにつれて、前頭葉が発達しますので、抑制できる機能も備わってきます。
大人の発達障害はどこで診てもらえるの?
下記のような症状があると、働いていて生きにくさを多く感じてしまいます。
- 職場で上司や仲間の指示が分からず、頻繁に怒られる
- 集中して仕事ができない
- 物忘れが多い
- 順番を教えてもらっても、すぐに覚えられない
- いつも遅刻してしまう
- 計画を立てることができない
- 予期せぬことが起きると、何もできなくなってしまう
こういった状況が続くと職場での人間関係は悪化する一方です。
多くは発達障害の診断に力を入れている専門機関に相談していきます。
病院、クリニックの「メンタルヘルス不調の専門機関」
大人の発達障害の診療科目は「精神科」となります。
ただし、統合失調症・鬱病などのメンタル不調とは異なるため、医師の得意分野が「発達障害」または、「発達障害も対応できる」とうたっている機関がおすすめです。
働きながら、
- 眠れない
- イライラが抑えられない
- 何事もやる気がおきない
- 気分の浮き沈みが激しい
など、こういった症状もある場合は、遠慮なく相談しましょう。
発達障害に特化した医療機関は、大人だけでなく発達障害をもったお子様も通院しているケースが殆どです。
大人の発達障害の治療方法は?
メンタル不調が顕著に出ている場合、軽減させるための治療が必要になります。
また、脳機能の強い働きにより、日常生活が阻害されるほど影響があれば内服をメインとしながらバランスを整えていきます。
薬物療法
いちばんメインになる治療法です。
例えば、
など、自分自身で制御できない場合は、
- 薬の力に頼る部分は頼る
- 自分で解決できるところは、方法を身につける
など、用途を分け、薬物だけではなく同時並行で治療をしていきます。
おもな治療薬は以下です。
リスペリドン
引用先:
メチルフェニデート(PDD+ADHD症状) (コンサータ錠)
アトモキセチン
メラトニン
アリププラゾール
定型抗精神病薬(ハロペリドール、フルフェナジン、(チオリダジン))
自閉性スペクトラム障害の薬物療法の 治験進行状況について
エビデンスに基づいたPDDに対する薬物療法2
カウンセリング
前述した薬物療法と併用していくことが多い治療法のひとつです。
など、
発達障害を抱えている人にしか分からない苦しみ、悲しみがあります。
目的:自己理解を深める
専門職のケアを受けながら、少しでも思考力を柔らかくする工夫をしていくことで、価値観を広げたり、別の方法で物事を考えられるようになることも生きにくさを解消していく方法です。
考え方、捉え方を変える手立てを身につけることは、生活もしやすくなります。
大人の発達障害はどんな仕事が適しているの?
売り場などの接客営業、保育士、介護現場など、対人関係の仕事をしながら、大人の発達障害が分かるケースもみられており、特に、コミュニケーションをとりながら空気を読んで働かなければならない場合は、失敗も多く、生きにくさを強く感じてしまいがちです。
業種、職域によっては発達障害があってもそつなく働けてしまえる場合もありますが、仕事内容が同じでも、環境が変わることで働けなくなるケースもあり、働きやすい環境は様々です。
決まり切った流れの仕事
「きのこ」「きゅうり」「りんご」などの「袋詰作業」を例に考えていきます。
工程を分解していくと以下になります。
例えば、作業台で袋に3本つめる場合
- ①出荷する製品が入った大箱を作業台に乗せる
- ②傷がないものを大箱から取り出す
- ③袋に3つ入れる
- ④袋を閉じて、出荷用の箱に入れる
- ②~④を繰り返す、製品がなくなったら①を追加。
とても単調な作業で変化がありません。
こういった作業は非常に行いやすい仕事と言えます。
他にも、
考えていくと様々あります。
苦手な仕事は以下です。
- 変化が大きい
- 決まった裁量が見えない
- そのときに応じて柔軟性が求められる
こういった内容はストレスフルになりがちです。
対人関係の仕事につけるのか?
結論:前述した苦手な仕事内容でも仕事をすることは可能
前提になりますが、職場の配慮が欠かせません。
「対人関係の仕事」も工程を分解することができます。
例)コンビニの店員の業務
- ①チェッカー(店内の商品)
- ②たばこなどレジ裏棚の商品提供
- ③ホットスナックの提供
- ④ホットスナックの調理
- ⑤品出し
- ⑥チケットの予約
- ⑦公共料金の処理
- ⑧宅急便処理
- ⑨掃除(トイレ、店内、店外)
- ⑩ポットの補充
もし、業務をやってもらうとしたら
- 3~4時間のパート勤務
- ④⑤⑧⑨⑩をおもな業務にして、①を30分だけ実行
理由
- 短い時間であれば集中力が続く
- 雑務が多いということはお客様の出入りが少ない時間帯
かなり極端な業務例ですが、本人の意思決定だけではできないことです。
業務内容の組み立て自体を柔軟に変更していくことで、対人関係の仕事もまったくできないわけではありません。
どこの職場も年々人件費が高騰していく現状で、ひとりの職員が複数の業務を効率よく実行する能力が求められています。
こういった職場に出会えないのが現実なため、
- 「働く場所がない」
- 「働きにくい」
- 「私は何もできない」
こんな気持ちになりがちです。
できることを明確に、そして提案力も必要
ポイント
- 自分は何ができるのか
- どういう方法であれば実行できるのか
- 業務を~にすることで職場にどのようなメリットがあるか
ここを明確にしていくことが、大人の発達障害では求められます。
ハードルが高いことですが、まわりの環境が自分に100%あわせてくれるような勤務先、職場はほぼ皆無と思ったほうが良いです。
あなたにできる最大限のことは、
自分のことを知ることが大切です。
大人の発達障害かもしれない・・・相談場所の選び方は?
生きにくさを感じて、「大人の発達障害かもしれない」と感じた場合の相談場所の選び方について、ポイントをお伝えします。
基本は「医療機関」がおすすめ
最寄りの病院、クリニックを調べてみましょう。
インターネット検索でヒットする場所を片っ端からみていき、発達障害に特化した内容が詳しく書かれている機関であれば良いと思います。
Googleマップの☆評価も気になるところですが、医師とあなたの相性が重要なため、当てにはならないことが多いです。
医師の評判が噂でよい機関は予約がとりにくく、1ヵ月半~2ヵ月先であることは普通です。
よくわからない場合は地区の保健所
公的機関として「保健所」が必ずもうけられています。
あなたの住所を管轄(かんかつ)している場所に地区担当の保健師が在中しており、
地域住民の健康相談を受ける窓口になっています。
症状や困りごとの相談はもちろん、受診先などの情報を得ることがができます。
気軽に相談できる場所でもありますので、分からない場合は最初の入り口として活用するのもありです。
受診先が分からない場合は福祉課
こちらも公的機関ですが、市役所や役場のなかにある「福祉課」です。
あなたの住所(地区)を担当するCW(ケースワーカー)がいます。
地域のあるあらゆる資源について情報をもっていたり、社会福祉士として資源とつなげる活動をしている方もいますので、相談すると解決できることが多いです。
公的機関ですので、納得するまで相談にのっていただけます。
大人の発達障害の対応方法について
一般的な方法は業務内容の合理的配慮です。
職場で発達障害っぽい人がいた場合の対応
職場では人事課、管理職が特に悩みます。
職場の雰囲気が悪くなったり、組織で仕事の生産性が下がることで、業績に響いてきます。
個別面談で仕事の振り返り
- 体調やモチベーションの確認
- 仕事をしていてどうなのか
- 何か難しいことはあるのか
- どうすれば目標に近づくか
周囲に相談しにくいことでもありますので、個別面談を設定して聴取します。
ポイントは、
必ず体調の心配から振り返ること
叱責、注意から入ると、パワハラという認識を与えてしまうことがありますので、注意が必要です。
白黒を意識して少しずつ場面を振り返る
お給料を得ているため、基準を満たして業務遂行ができなければなりませんので、仕事の意味を確認していきます。
何が難しくて達成できないのかを明確にしていきます。
職場全体に影響が出ている場合
早急な対応が必要な場合は、
- 配置転換
- 業務内容の変更
今までの内容が定着できなければ、他の内容についても配置転換の確認をとっていきます。
発達障害を気づかせるためには?
大人の発達障害かもしれない。。。ご自分で少しでも気になっている場合は、自分のことを調べたりすることで理解が深まる場合があります。
しかし、「ミスは上司の指示が悪い」「適切な指導がない」「教え方が悪い」など、クレームのような対応をする職員もいます。
気づきを得ることも大切なことで、方法は以下がおすすめです。
体調の心配をしていく
一般的に「普通に考えればできること」が、発達障害の場合は生きにくさとなっているため遂行困難です。
「叱責」「注意」を重ねても相手の気分を害したり、溝を深めるばかりですから、できないことを心配する対応がおすすめです。
最終的に給料に影響することを伝えますが、業務に耐えられる状態なのか心配をしてくことで、理解を深めていきます。
可能な範囲で配置転換、業務を体験
職場で可能な限り配置転換を繰り返し、すべての業務を体験していただく。
できない仕事、できる仕事が見えてきます。
同僚や他の職員と比較してどうなのか
出来る業務、できない業務の落差について考えていくように促していきます。
決められた業務ができないと給料に影響することをしっかり伝え、原因について振り返りを促し、業務評価を行います。
改善が出来なければ、給料カットを行うとさらに理解を深めることに繋がります。
実際に、大人の発達障害がある方は職を転々としている方が殆どです。
自己理解がどこかで深まらなければ、残念ながら自分と向き合うことにはなりません。
まとめ「大人の発達障害」を知るための教科書
- 発達障害は脳の機能の偏り
- 発達障害の診断基準はDSM-5、ICD-10
- 診断は困り事の聞き取りが大切
- 発達障害はASD、ADHD、学習障害に分類
- ASDは男性、ADHDは女性に多い
- 困ったら医療機関に相談
- 発達障害かも?と思ったら振り返りをする
大人の発達障害の生きにくさは、一般的には理解しがたい内容です。
それゆえ、言葉の広がりは見せていても、実際は対応方法が分からなかったり、相談先が分からないといったことが起こっています。
まずは少しでも知ることから始めることが大切です。
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