結局どこの就労移行支援事業所がいいのか分からない
もうちょっと専門的な解説が欲しい
何が特徴なのか教えて貰いたい
こんな悩みを解決します。
就労移行支援事業所は様々な法人が参入しており、事業所も沢山あります。
どこも似たような特徴があって、何を基準に選んでいいか分からないという悩みは珍しいものではありません。
この記事では「就労移行支援事業所」の特徴を比較することができます。
「あなた」のニーズに合う選択ができるよう活用して頂ければ幸いです。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
私は「就労支援」を仕事にしている現役の職員です。
就労移行支援、就労継続支援ともに関わりを持ちながら働いていますので、業界事情についてはすぐに最新情報が入ります。
就労移行支援事業所は制度改正があってから、法人の新規参入に歯止めがかかった状態です。
しかし、陣取り合戦のごとく大手や中小法人が参入をしていますので、都市部では激戦区となっているところもあります。
この記事では私がもっとも安心できる「5つ」の就労移行支援事業所を解説します。
とりあげた理由は以下です。
私の事業所にも良いところ、悪いところがあり、利用者様のニーズにすべて答えられるかと言えば微妙です。
自分にあわない事業所に通っているとイライラしたり、文句の一つも言いたくなってしまいます。
大切なことは事業所の特徴を掴み、自分が良いと思うところを見つけることです。
私が安心できる「5つ」の就労移行支援事業所に絞って比較をしていきますので、特徴を抑えて頂ければと思います。
就労移行支援事業所を比較して伝えたい
この前提を守りつつ最後まで見て頂けるとより納得して頂けます。
本記事は以下の流れで解説をしていきます。
- 就労移行支援と就労継続支援の違い
- 就労移行支援はレベルが低いサービスなのか?【根拠あり】
- 就労移行支援は無意味なのでは?
- 就労移行支援事業所を比較【ポイントあり】
※結果を知りたい方は「4.就労移行支援事業所を比較【ポイントあり】」のみを閲覧下さい。
就労移行支援と就労継続支援の違い
結論:
- 「就労継続支援」は福祉施設で支援を受けながら「働くこと」を考える
- 「就労移行支援」は一般企業で働くための学びやスキルを得る
就労移行支援事業所に関連して「就労継続支援」も耳にしますので「概要」は抑えましょう。
就労継続支援B型とは
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う。
参考文献:厚生労働省‐障害者福祉施設における就労支援の概要
利用期間:制限なし
労働契約をかわしても仕事に行けない等で「労働が不安定な方」に向けたサービスです。「仕事」とはどういう仕組みでなりたっているのかを学ぶことがメインとなります。
わずかですが、B型施設で作業を行うことで賃金をもらうことができます。
軽作業・内職等を行っているところが多く、箱折り、袋詰め、梱包、紐結び、組み立てなど様々あります。
「就労継続支援A型」も耳にすると思いますが、A型は労働契約を結びます。
就労移行支援とは
就労を希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、②求職活動に関する支援、③その適性に応じた職場の開拓、④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う。
参考文献:厚生労働省‐障害者福祉施設における就労支援の概要
利用期間:2年間
「就職したい」という気持ちがあり、通常の事業所(一般的な会社など)で働けると見込まれた方が対象です。施設に通いながら、会社などの職場で働くための知識やスキルを学びます。
具体的には、ビジネスマナー・コミュニケーション・体調管理といった内容を学びつつ、仕事で使う対人技能やパソコンなどのスキル訓練を行っていきます。就職活動で必須の履歴書作成、面接対策といった内容も必ず支援を受けます。
2年間で卒業(就職)しなければならないため「短期大学」や「専門学校」のようなニュアンスも含まれています。
就労移行支援はレベルが低いサービスなのか?【根拠あり】
結論:
- サービスの品質は事業所による
- 金儲けに走っている底辺事業所をなくすために単価改正あり
品質改善のために単価改正が行われる
福祉サービスは3年に1回制度の見直しがされます。
全県の市区町村を対象に調査し、これからさらに必要となるサービスを加えたり、不必要なものは無くしたり、先の未来を踏まえた対策が講じられます。
サービスを提供する側は時代に沿った対応が求められていきます。
現状では厳しい体制になっている
就労移行支援の単価は以下です。
これが意味するのは、
就職をして6ヶ月は仕事が続かないと「就職実績」にならない
就職者を出して「実績」が作れなければ、事業所側が得られる収入が下がる仕組みとなっています。
以前は就職ができなくても良かった仕組みでしたので、利用者が不利となるだけで、事業所側は通って貰えさえすれば運営が成立していました。
今は支援ができない金儲け目的の事業所を排除していく体制が整っています。
就労移行支援は無意味なのでは?
結論:
無意味ではない。働くための学びが得られるから。
働くためには一定のスキルが必ず必要
会社等の職場で働くためには一定のスキルが必要です。
働くためのスキルがしっかり整っていれば、就職して1週間や1か月で辞めることはありません。「体調を崩したり」「職場の人と上手くやれなかったり」「思っていた会社と違った」といって辞める方はスキル不足が隠れています。
①体調・日常生活管理
など、働く人であれば誰もが行っている普通のことですが、仕事をするためには生活が安定していることは必須です。
②円滑な人間関係の構築術
仕事を辞める多くの理由が人間関係です。
気づかないうちに同僚や上司との関係が悪化していたことはありませんか?
という事態になります。
そこで確認が必要になるのが「コミュニケーション」「相手との距離感」「適切な言葉の選択」といった内容です。
近すぎず遠すぎず、適度な言葉を選択して人間関係を構築する能力は生きていくうえで大切です。
③仕事をすすめる力
具体的には、
などの要素です。
どの仕事をやるにしても共通していますので、これらを養うために訓練してスキルを高めていきます。
訓練プログラムは各事業所によって差別化が図られています。
次項で「私が安心できる就労移行支援事業所⑤選」を比較していきますのでチェックしてみて下さい。
就労移行支援事業所を比較【ポイントあり】
各事業所の特徴は以下です。
LITALICOワークス
東証一部上場を果たした株式会社LITALICOが運営する就労移行支援事業所です。全国80か所以上に事業所展開し、就職実績は大手企業が多いです。
企業インターン実習で就労体験を多く行うことで進路が明確になったり、自分にあった仕事をみいだすことに繋がります。
就労移行支援事業所で行える作業には限りがありますので、積極的に外部実習を利用していくことをおすすめします。
仕事が続かない方の失敗要素は「自分にあった仕事内容や職場環境が見いだせない」
色々な職場で仕事を体験していくことが改善していく近道です。
中小法人では実習(インターン)先を確保をすることは骨が折れる作業になりますが、LITALICOワークスの場合は会社の強みが出ています。
こんなニーズの方におすすめ
- どんな仕事があってるか分からない
- 〇〇な仕事をしたいけど、どうなんだろう?
- 現場での実践重視で自分にあった仕事を見つけたい
就労移行支援ココルポート
関東圏を中心に50店舗以上事業所展開をしている株式会社ココルポートが運営をする就労移行支援事業所です。
プログラム数は業界トップといっても過言ではありません。
利用者様のためにここまで資源を用意するために相当な投資が行われています。
また、利用者様へのランチ提供や交通費助成はとてもありがたい制度です。
多くの方はお金に困っていますので、こういった面で少しでも援助があるとモチベーションも高まりまり訓練を受けやすくなります。
「スキルが不足している」と感じる方は、自分にあうプログラムをみつけ、将来の仕事につながるスキルを習得することで自信が明確になります。
こんなニーズの方におすすめ
- プログラムを沢山こなしてスキルアップしたい
- とにかく訓練をしっかり行いたい
- 金銭的な事情で通うことをためらっている
ミラトレ
パーソルチャレンジ株式会社が運営する就労移行支援事業所です。
パーソルチャレンジグループは障害者雇用を成功させるミッションを掲げており、転職エージェントdodaチャレンジを運営し、障害者を企業に繋ぐ専門サービス展開をしています。
dodaチャレンジは「志望動機」「配慮事項の明確化」「電話でのヒアリング」を徹底しており、障害者雇用を達成したい企業へ確実に繋ぐ取り組みをしています。
ミラトレの良さは適切なマッチングというべきです。
適切な職場を選ぶことが苦手であれば、マッチングに頼ることで解決ができます。
就職率の高さは支援力があるということですし、就職するための速度は働くためのイメージに関わって
きます。
早く就職するためには自分の立ち位置の確認ができているかがポイントです。
こんなニーズの方におすすめ
- 適切なマッチングが欲しい
- 将来がイメージできている
- しっかり支援してもらいたい
アットGPジョブトレ
株式会社ゼネラルパートナーズが運営する就労移行支援事業所です。
パーソルチャレンジに似ており、転職エージェントatGPを主軸に事業展開をしています。
移行支援事業所の特徴は支援が「コース制」になっているところです。
同じ病気を持っている仲間と出会えたり、共有できる苦労がありますので、訓練のモチベーションがより沸いてきます。
ITに特化した支援コースがあり、専門学校のような感覚で魅力的です。
卒業後の職種として推奨しているのが事務職ですので、オフィスで働くための支援がメインです。
ホームページに通所時のシミュレーションが装備されているので、どんな手順を踏んでいけば理想にたどり着けるのか参考にすることができます。
すでに「事務職で仕事をしたい」という進路希望が固まっている場合は特化型の支援をうけることで強みを強化することに繋がります。
詳細は下記から確認をどうぞ。
こんな方におすすめ
- 特化した支援が受けたい
- エージェントも活用したい
- 事務職で働きたい
ウェルビー
株式会社ウェルビーが運営する就労移行支援事業所です。
店舗数も多く、全国に事業所を展開しています。
就労移行支援のサービスを漫画形式で解説をしていたり、就職に繋がったケースの事例集があります。
「仕事の土台作り」➡「職場で使うスキル訓練」➡「実践」というように段階を得て支援を受けていきます。
パソコン訓練だけでなく、軽作業、グループディスカッションがありまので、実践を交えながら学びたい方におすすめです。
多くの事業所は「グループワーク」「ディスカッション」より「個人作業」「セミナー」重視のプログラムが目立ちます。
実践を通して具体的なイメージをしていったり、自分と同じようなケースを参考にできる事例集は参考にすることで就職の近道となります。
➤ ウェルビー
こんな方におすすめ
- 実践形式で学びたい
- 土台から段階を踏みたい
- パソコンに限らずスキル訓練したい
【まとめ】就労移行支援事業所を比較して伝えたい
私が安心できる就労移行支援事業所「5選」のポイントをまとめます。
LITALICOワークス:
- 就労移行支援:業界最大手
- 企業インターン実習で実践重視
就労移行支援ココルポート:
- 業界最多のプログラム数
- 誰もが納得できる福利厚生
ミラトレ:
- 高就職率、確かな支援力
- dodaチャレンジでマッチング
アットGPジョブトレ:
- 利用者にあわせた特化型支援
- 事務職での就職を実現
- 個別サポート
ウェルビー:
- 全国展開
- 事例集あり
- 実践形式の支援
共通しているポイントは事業所の目指すべきところが「就職」です。
そこにたどりつくための方法が運営法人によって異なります。
こうやって比較すると事業所によってポイントの違いが出てきます。
考えなければならないのは自分にとって何が必要なのかです。
就労移行支援は最大で2年間という利用期間ですから、納得できる事業所を選ばなければなりません。
今まで失敗を重ねていた方も、支援を受けながら前向きに取り組むことで人生は必ず好転していきます。
そのための一歩として、就労移行支援のサービスを利用することは難易度が低めと言えます。
適当な仕事に就いて転職をし続けば、いつの間にか年齢が重なり、再就職が厳しくなります。
昭和→平成→令和に変わり、働き方は間違いなく変わってきています。
70歳ぐらいまで働くのが普通です。
職業適正が分からないまま、30年近く仕事が不安定だったらどうしますか?
うーん。
結論は良く分からないなぁ。
結局どうすればいいんだろ。
私は最大2年間を捧げて、仕事を安定させた方がメリットも大きいと思います。
実際に年齢を重ねると、本当に就活は苦労します。
書類選考で何社も落選するのが当たり前で、余計に凹みます。
だから、少しでも若い時にチャレンジする方がハードルは低めですよ。
実際に私の事業所の利用者様は、就職を実現されて良い人生になってますから。
ここまで読んで「あなた」はどう考えますか?
長々お読み頂き、本当にありがとうございました。
最後に、この記事で扱った事業所をまとめて終わりにしますので、参考にされて下さい。
こちらの記事もあわせて参考にどうぞ。
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