就労移行支援の利用を考えているけど、通えるのかお金が不安だ。
きちんと支援を受けて就職したいのに。
検索すると「アルバイト禁止」ってなってるけど本当なの?
シングルマザー家庭や一人暮らしで頼り先がない場合はどうするの?
こんな疑問を解決します。
この記事を見て頂き、本当にありがとうございます。
「就労移行支援」について調べていくと通所するためにお金の心配がでるのは事実です。
きちんと制度を利用して支援を受けたいと思っている方は当然だと思います。
しかし、検索して他でも情報がでている通り原則アルバイトは禁止です。
それじゃ、お金がなけれぱ通えないじゃん。
こんな風に思う方もいますが、就労移行支援の本質を知ることでアルバイトが禁止されている理由がわかり、納得できます。
さらに、資金援助を受けながら通っている方もいますので、方法を学ぶことでイメージができて「あなた」の不安が解消されます。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
この記事の信頼性については運営者プロフィールをどうぞ。
私は就労支援事業所で働いている現役の職員です。
就労移行支援のサービス利用について相談にのっています。
就労移行支援サービスについて説明をすると、アルバイトをしながら通えますか?という質問は必ずあります。
冒頭でも述べた通り、原則禁止されています。
仕事でもお伝えしている内容を解説していきますので、是非ご活用下さい。
就労移行支援ではアルバイトをしながらの併用が禁止
結論:アルバイトは原則禁止である
理由は3つです。
解説します。
- 理由①:アルバイトは就労だから
- 理由②:就労移行支援は「学ぶ」ために通うから
- 理由③:就労移行支援は公的サービスだから
理由①:アルバイトは就労だから
アルバイトは勤務先と労働契約を結んで働くことになります。
つまり「就職をしている」ということです。
次項でも触れますが、就労移行支援は就職するためのサービスのため例え週1回1時間の労働でも禁止になります。
理由②:就労移行支援は「学ぶ」ために通うから
就労移行支援の定義は以下です。
通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、
①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のた
めに必要な訓練、
②求職活動に関する支援、
③その適性に応じた職場の開拓、
④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う。
引用:障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス
就労移行支援事業所は一般企業への雇用見込みを、さらに支援を通じて高めていく場所です。
就労移行支援ガイドブックにも自己理解を支援し、就労意欲を高める機能があると示されています。
職員は学びを提供し、利用される方は自己理解を深めるということになります。
定義に基づくと「アルバイト」はちょっと的はずれかもしれません。
理由③:就労移行支援は公的サービスだから
就労移行支援は福祉サービスとして位置付けられ税金で運用されています。
簡単に説明すると、
- 税金を利用して働けない方のサポートするための制度である
- 労働ができて収入が入ってしまうと、社会的公平性が担保できなくなる
これが正当理由です。
就労移行支援でバイトをするとバレるのか?
結論:バレます。(私が仕事で携わっているので間違いありません)
バレる理由が3つです。
解説していきます。
理由①:住民税の増額によってバレる
理由②:体調不良で通所ができなくなりバレる
理由③:通所日数が増えない
理由①:住民税の増額によってバレる
就労移行支援は公的なサービスで、行政の職員も関わりをもっています。
市役所や役場によって名称は違いますが、「市民税課」「税務課」といった部署があります。
雇用契約を結びアルバイトをして収入を得ると、住民税を確定させる作業でバレる可能があります。
ここが重要になりますが「福祉サービスの利用料」は税金が割り当てられます。
就労移行支援サービスの利用権限は、あなたの住所がある地区担当のケースワーカーが担っています。
あなたの情報が市役所、役場、区役所などに「データーベース」として管理されていますので不正は必ずバレてしまいます。
バレることで、利用されている方は継続性についても危うくなりますので注意が必要です。
理由②:体調不良で通所ができなくなりバレる
短時間でもアルバイトを継続していると必ず体に無理がかかってきますので、体調不良となってしまうことも出てきます。
通所ができなくなる=就職の可能性が遠のく
体調不良で通所日数が極端に少なくなっていくとサービス管理責任者・ケースワーカー・場合によっては家人も招集されて、サービス担当者会議が設定される場合があります。
多くの利用様はコミュニケーションや伝え方に課題がありますので、正当な理由を伝えることができず、会議の場などで隠し事が発覚することが多いです。
理由③:通所日数が増えない
就労移行支援事業所の通所日数はすべて事業所で漏れなく管理されています。
スケジュール管理ができずアルバイトを入れてしまい、アルバイトを理由に通所日数が増えていかないと、就労移行支援事業所は不思議に感じます。
通所日数を上げながら必要な訓練を行うのが目的ですから、通えなくなるとあなたの印象が変わってきます。
通所日数が増えないことであなたが不利になるケースも出てきます。
理由②とかぶる部分でもありますが、「しっかり利用できない」という判断をケースワーカが行えば、利用継続が難しくなります。
税金によってまかなわれているということは、忘れないようにしましょう。
就労移行支援で認められるアルバイトの例外【禁止にならない】
結論:認められるのはかなり稀
私の地域では絶対に認められません。
しかし、一部の自治体で例外のため許可が降りたという情報もあったので紹介しながら解説します。
例外①:シングルマザー家庭、親がリストラで病気
■ケース情報
- 20歳男性 Aさん (ASD)
- 就労移行支援事業所に通って1年1ヶ月
- シングルマザー家庭で育つ
- 家族は母(某工場勤務)、本人
- 2LDKのアパート暮らし(家賃5万4000円)
Aさんは女で一つで育った家庭です。
母親の勤務先が経営悪化で事業縮小をする方針になり、工場で作業をしていた母親がリストラにあい、鬱病を発症してしまいました。
個別面談時にAさんが深刻な表情で語ったため生活をしていく方法を考えていきました。
幸いにも、1年しっかり通って実習活動がメインになっていたので、課題を整理し、アルバイトの中で実践的にスキルを磨きながら就職活動に繋げる道筋を事業所から提案されました。
事業所の明確な後押しがあって、サービス担当者会議で必要な分だけアルバイトの許可が降りました。
アルバイトを訓練とした特別な事案です。
給料を得る重み、必ず就職することが条件ですが日々の訓練も前向きにできていました。
実習活動は、生活リズムや必要な社会性がある程度養われている指標になります。
例外②:来月の家賃が払えないため、家賃6ヶ月分だけ収入が欲しい
■ケース情報
- 27歳女性 Bさん (ADHD)
- 就労移行支援事業所に通って8ヶ月
- 両親が幼い頃に離婚
- 母に引き取られ育つ
- 24歳時に母が病で死去
- 都内で独り暮らし
- 頼れる親戚はいない
Bさんは24歳で同居していた母親を亡くしてから、独り暮らしをしています。
生活費は母が残してくれた分だけでしたが、どの仕事もうまくいかなく、職を転々としまい十分な生活費が得られず暮らしていました。
ADHDという診断がついてから、安定した定職につくため就労移行支援を利用しました。
目標にしていた6ヶ月での就職目標が達成できず、8ヶ月目で貯金の底がみえるようになってきました。
Bさんは課題整理をしながら地道に活動を続けていました。
しかし、就職先との出会いはその時の巡り合わせもありうまくいきません。
担当のケースワーカーに現状報告をすると、サービス担当者会議の結果、Bさんの意見が認められました。
条件は、必ず今通っている事業所で支援をうけること。
別の事業所を利用せず、Bさんの特徴をしっかり把握した事業所を使うというのが条件で認められた事例です。
お住まいの自治体にもよりますが、基本的にいくつも就労移行支援事業を使うことは認められません。
決めた場所にしっかり通い、結果を出すことが必要です。
例外③:内定をもらっているが、あと8万円なければ生活保護になる
■ケース情報
- 30歳 男性 cさん (ASD、適応障害)
- 就労移行支援事業所に通って6ヶ月
- 独り暮らし(アパート家賃30000円)
- 両親、親戚は県外在中で疎遠
- 過去に生活保護を1度受給したことがある
- 3ヶ月後に某商社での障害者雇用で入社が決まっている
就職が不安定のなか、生活保護制度を使いながら生活を続けた。
就職したいという強い意志で就労移行支援事業所に通い、就職活動をして6ヶ月後にご縁があって内定が貰えた。
しかし、初任給の発生まであと8万円ほどないと生活費が底を尽きてしまう。
せっかく就職が決まったのに生活保護になってしまう。
幸いにも内定が決まっているため、卒業までより実践的に練習を積む意味で特別にアルバイトの許可がおりた。
ポイントは「内定が決まって進路が明確になっている」ところ。
税金によって受けたサービスで本来の目的を達成することができたが、繋ぎとして提供できる手段がなかったため、特別措置として許可が降りた事例です。
生活保護は本当に困った人が使う制度ですから、自治体によっては気軽に利用できないよう渋られるケースがあります。
就労移行支援を利用した場合の生活費はどうするの?
結論:基本は自己負担、社会資源で補助。
就労移行支援事業所を利用されている方の多くは以下5つの方法です。
解説していきます。
方法①:両親、親戚を頼る
実家暮らしで親と同居していれば食事や家事の心配はいりません。
独り暮らしでも、両親や親戚を頼れるなら仕送りをしてもらうのが一般的な方法です。
方法②:障害者年金を受給する
用件を満たし、障害者年金を受給するとまとめて決まった金額が得られます。
厚生年金、基礎年金と分かれています。
診断書などの必要書類を揃えて年金事務局で厳正な審査を受け、受理されると受給できます。
受給できるまで半年近くかかるケースもあり、就労移行支援事業所でも支援をして貰えます。
方法③:雇用保険、傷病手当を受給する
「勤め」が原因で体調不良になった場合は、傷病手当て金が支給されます。
ケースバイケースですが、最長で1年6ヶ月受け取れる場合があります。
雇用保険(失業保険)の要件を満たしたいると、待機期間後、もしくは退職した直後から給付をうけることができます。
私が関わったケースは、雇用保険・傷病手当ての両方を受給しながら通所されていました。
受給金額が高額になると金銭的な困り事がなくなりますので、就職したいという気持ちも失せてしまう危険性があります。
方法④:生活保護制度を利用する
最終手段です。
しかし、いちど受給して一生そのままというわけではありませんのでご安心下さい。
生活保護制度を利用する期間をきちんと決めます。
- 就労移行支援事業所に通っている期間だけ
- 就職するまでの6ヶ月だけ
などです。
私の担当しているケースも生活保護を受けています。
しかし、プライドが許さない方も多くいるのが事実です。
生活を再建して就職するために一定期間だけ限定して利用するも良い方法です。
方法⑤:貯金を切り崩す
こんな希望の方は、貯金を切り崩しながら通われているように思います。
就労移行支援は「学校・セミナースクール」のような側面を持ち合わせています。
貯金を崩すことで焦り、不安、抵抗を示す方もいますが、貯金は働くことで増えていくため増やせます。
貯金を崩して自分に投資という考え方も必要です。
株式を持つわけではありませんのでお間違いないように。
就労移行支援はお金がないと通えないのか?
結論:通えない。
交通費、昼食費などを負担してくれる事業所はありますが、生活費まで負担をする事業所は仕事をしていて聞いたことがありません。
生活水準を落としたくなければ「お金」が必要
就労移行支援の目的は就職をすることです。
通所するために金銭面が不安定な場合は、障害年金や制度を利用しながら必要なことを学んだり、訓練しなければなりません。
通所をきっかけに生活の見直しを迫られることがあります。
生活水準を少し下げることは良い方法です。
これらを気をつけるだけでも改善できたりします。
できなければお金は必要と言えます。
就労移行支援は働きながら利用できるのか?
結論:原則できない
働くためのサービスですから原則はできません。
就職できたときに受けるサービスは「就労定着支援」というサービスになります。
就職できた場合は「就労定着支援」をうける
2018年4月から開始となった新しいサービスです。
これは職場にもご病気を理解して貰うことが必要になりますが、職員が面談を実施したり職場との間に入って調整を行います。
気持ちが不安定にならないよう、仕事を続けるための保険目的で利用される方もいます。
アルバイトの禁止を知って就労移行支援を利用しないべきか?
解決策はたった1つ。
就職できそうな事業所を選ぶと金銭面の心配がなくなる。
「就職」するためには支援を受けながら「あなた」も行動する必要があります。
就職できそうな事業所を選ぶと金銭面の心配がなくなる
就労移行支援事業所は障害者雇用の促進、一般企業で働けるようにするために訓練をする場所です。
良いサービス提供を受けるというのも就職の近道になりますが、利用される就労移行支援事業所がどのくらいの企業と繋がりを持っているかも重要な指標になってきます。
一般企業と繋がりを持たなかったり、卒業生がいない就労移行支援事業所での就職は難しいです。
就労移行支援事業所はどうやって選べばいいのか?
結論:基本は多店舗展開している株式会社の大手事業所を基準に選定をしていく
「就労移行支援事業」は法人の運営形式が様々で、以下4つが一般的です。
同じ支援を提供していても形式によって理念が違います。
「株式会社」は一般的なお店と同じで、多店舗展開しているところが多いです。
【まとめ】就労移行支援ではアルバイトをしながらの併用が禁止!?
就労移行支援ではアルバイトが禁止になっている理由を含め解説をしてきました。
- 就職ができない
- 面接に受からない
- 職場を転々としてしまう
「あなた」の困り事が自己解決できないようであれば、一生困ったままの生活になることはほぼ確定しています。
同じことを繰り返しても人生は変わらないからです。
人生には限りがあります。
3年後、5年後、10年後と経過してしまうと後戻りはできません。
どうにかしようと思った時が行動するための最良の機会です。
デメリットばかり気にしていると人生は開かれていきません。
情報収集ばかりしても人生が好転するわけではありません。
必ず「行動」することが必要です。
就労移行支援事業所の選び方は下記の記事が参考になりますので、合わせてお読みいただけると幸いです。
行動すると人生が変わりますので、このコンテンツを参考に行動を応援をします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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