私らみたいに40代、50代で在宅介護をしている人もいるけど、食事作りに毎日参ってる。
私は毎日、柔らかい食事を試行錯誤しているけどホント疲れちゃう。
レシピもマンネリ化してるし、この先どうしよう。
こんな疑問についてお答えします。
食事は毎日のことですから、作り疲れるのは当然です。
共働き、専業主婦の家庭でも、食事のメニューに困ることがありますから普通のことです。
こんな悩みもありませんか?
- 柔らかい食事の簡単レシピって何?
- 老人の食事はどうすればいいの?
- 毎日柔らかめな食事を作るの?
「老人は柔らかい食事だけしか食べられない」という考え方を少し直すと根本的に解決ができます。
柔らかい食べ物、レシピだけ知っても介護負担軽減にはなりません。
執筆者の経歴
- 作業療法士10年以上
- 勤務歴(病院・介護施設・児童支援・就労支援)
- 現在は就労支援に従事(障害のある方のリクルート)
この記事の信頼性については運営者プロフィールをどうぞ。
私の仕事の始まりは「老人介護」です。
患者様、利用者様の生活について考えるのが仕事で、在宅介護をされる方にアドバイスを沢山してきました。
「食事」については、どのご家族も悩みになっています。
介護負担が多いと感じる方は「老人の食事は柔らかいもの」という思考を変えていきましょう。
これらも人によって当てはまり方が違いますが、ほぼ固定観念です。
「老人=柔らかいもの」という考え方も同じです。
では、解説していきます。
老人の食事は柔らかいものだけでいいの?
結論:よくありません
咀嚼する力(かむちから)が持ち合わせている能力よりも低下していきますし、お腹も緩くなりやすいです。
以下に流れで説明します。
- 高齢者の食べやすい食事とは
- お年寄りが食べやすい料理を考察する
- 高齢者向けの作り置きメニューで【楽しよう】
- 老人の柔らかい食事を準備することが大変な場合の解決策
高齢者の食べやすい食事とは
柔らかいだけでは「食べやすい」とは言えません。
- 口ざわり
- 飲み込みやすさ
- 口の中でのまとまり感
も必要な要素ですので、後述します。
高齢者は「赤ちゃん」ではありませんので、食事内容も年齢相応に見合うものが求められます。
介護食でみられる柔らかい食事
この記事を書いている私は「管理栄養士」ではありません。
具体的にレシピを公開することは難しいですが、在宅介護をされている方が作っている内容が一番参考になると考えています。
cookpadで検索をすると意外に介護食レシピがヒットしますので、いちど調べてみることをおすすめします。
柔らかくて栄養のある食べ物
高齢者はいちどに沢山の食べ物を摂取しきれない方も多いです。
1食で得られるエネルギー量は栄養素としてとても大切になります。
体を作る栄養素は以下です。
- たんぱく質
- ビタミン
- ミネラル
栄養価が高め、かつ食べやすく、高齢者施設のメニューなどで良く見かけるのが以下です。
茶碗蒸し
一般家庭での蒸し調理は手間がかかりますが、肉類・大豆・野菜などの仕上がりは適度な食感を残しつつ食べやすくなります。
具材を変えるだけでアレンジの幅も広がり、簡単に栄養価が高められます。
鳥ミンチ
みじん切りの野菜と混ぜて茹でたり、煮込んだり、焼いたりアレンジの幅が広く、栄養価が高められます。
豚肉に比べて脂質は少ないですが、脂っこい場合は茹で調理をすることで減らすこともできます。
鶏ミンチは、豚挽き肉より「たんぱく質」と「脂質」がバランスよく摂取できます。
魚の煮付け(すり身)
焼き魚はパサパサしますので「煮て」水分を含ませると食べやすさがアップします。
魚にはミネラル、たんぱく質の他に不足しがちな「カルシウム」が多く含まれています。
高齢者は過ごされてきた時代背景も影響して「和食」や「お寿司」が好きな傾向が強い調査結果もあります。参考サイト:高齢者の好きな食べ物とは??
魚料理は食べやすいと言えます。
お年寄りが食べやすい料理を考察する
必要な要素は以下の3つです。
- 口触り
- まとまり感
- 飲み込みやすい
口触り
口に触れたときの感覚は、食べ物を認知するために大切であると言えます。
ドロドロしたものばかりだと、食べものとしての認識が薄くなってしまうことがあります。
まとまり感
口のなかで飲み込みやすい大きさに固まっていくかは非常に大切です。
高齢者になると唾液分泌が少なくなる特徴がありますので、パサパサしたものはとても食べにくい傾向があります。
飲み込みやすい
高齢者は飲み込む力が弱くなるため、たびたびムセてしまうことがあります。
ご自分の唾液でもムセてしまいます。
口のなかでまとまり、飲み込みやすい食べ物が食べやすいと言えます。
飲み込みについては関連記事「食事介助のあれこれ、在宅介護や仕事でも活用」で解説しています。
高齢者向けの作り置きメニューで【楽しよう】
具体的な介護食のレシピは「cookpad」が充実しています。
料理家というより、実際に在宅介護をおこなっている方の投稿が多いため参考になります。
老人の柔らかい食事を準備することが大変な場合の解決策
「作り置き」も大量に作る手間が発生します。
食事は毎日のことですから、手間のバランスを気にしながら淡々と続けることが楽でよい方法です。
具体的な方法は2つあります。
割りきりが肝心、レトルト食品を取り入れる
前述した「鶏ミンチ」はアレンジが効きます。
レトルト食品にちょい足しをすると時短になり、介護負担もぐっと楽になります。
常備さておくと介護負担が減らせる食品は以下です。
買い物が大変な場合は、食材の取り寄せ
介護食に合わせた買い物が難しい場合は、食材の取り寄せを利用することも行いましょう。
「お金がかかる」と思われがちですが「あなた」が苦労して考える手間を考えると、とても安く上がります。
一日で腐るような物は届きません。
こういうサービスに偏見がある場合、絶対に食事の準備にかかる介護負担は減らせません。
色々なキットがありますので、こちらからご覧下さい。
【まとめ】老人の食事は柔らかいものだけでいいの?
結論:よくありません
工夫するポイントは以下です。
- 口ざわり
- 飲み込みやすさ
- 口の中でのまとまり感
- 柔らかくて栄養のある食べ物
- レトルト食品、食材の取り寄せで介護負担を減らす
老人=柔らかいもの
これは固定観念です。
歯が丈夫で肉が好きな方もいます。
柔らかいものだけでは不調に繋がらることもありますので形状を工夫しつつ、かつ、みて楽しめることも大切と言えます。
介護負担が多い場合は以下を試すことをおすすめします。
「必ず手作りしななきゃいけない」はあなたの固定観念です。
新しいものを取り入れると、介護負担が軽減し、あなた自身の生活が改善されます。
便利なものは取り入れて、生活の質をあげていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「あなた」にとっても「介護をされる方」にとっても良い生活が送れるように願っています。
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